2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

彼女との連休

22日の夜 僕らは広島駅の中央改札で合流した。会うのは実に4ヶ月ぶりであった。こんなご時世ではあるが、しっかりと感染予防をする事を条件に会うことにしたのだった。 ホテルに向かう途中にあるコンビニで夕食を調達した。彼女はサラダと味噌汁を摂り、僕は…

繰り返す

コンクリートが剥き出した殺風景な風呂場には申し訳程度の小さな鏡がある。その鏡は身体の一部を写し込むことで精一杯なサイズだ。ふと、鏡に写った自分の身体の一部と目が合う、こんなに痩せていたかなと思った。 昨夜飲んだバドワイザーの缶を寝室から撤去…

平凡な水曜日

何事もなく無事に仕事が終わった日は心が穏やかだ。身体に疲労だけが残ったことを除いて出勤前の状態と変わりはない。 つまり、かなりニュートラルな心境である。 晩御飯はどうしよう。 今日は朝から食事を摂っていない。だが、一から調理するのはかなり面倒…

回想1 旅の途中

気がついたら随分遠くへ来てしまったみたいだ。困ったことに新居の蛇口が壊れており洗濯機が使えない。そのため、洗濯物は溜まる一方だ。そんな問題を解決すべく近所のコインランドリーへと向かった。そこは徒歩1分位の近場にあり、田舎には不釣り合いな24時…

7/4

AM8:00 土曜日の朝程希望に満ち溢れた朝が有るだろうか。起きがけに一杯のアイスコーヒーを飲んだ。このコーヒーは森の天然水とインスタントの粉末で構成されている。まるで大雨が降ったあとの水溜りみたいな外見である。 金曜日の夜か土曜日の朝に一週間分…

深夜ラジオが好きだ。

飽き性な自分が一番継続している趣味は深夜ラジオを聞くことだろう。 深夜ラジオを聞き始めたのは確か高校一年生の頃であった。高校生と言えば世間一般的に、部活に遊びにまたは恋愛等の青春を謳歌する綺羅びやかな時期である。 しかし、高校卒業直前くらい…

小さな月を見た

夕方に見た小さな月。 何だか途方も無く遠くへ行きたくなる、思いを馳せてしまう。自分の目の前の暮らしや、自分自身の器である肉体と乖離する想像をした。多分それは日常が退屈で現実が受け入れ難いからだと思う。

毎日

毎日殺風景なデスクに向かう。昼休憩には味気ない栄養補給をしてスマホを弄る。正確さを問われる業務、失敗を批判されることの恐怖で嫌な汗をかく。 雇用があり飢えることなく、寝床のある暮らしは決して当然だとは思わないけれど、その対価として毎日捨てて…

週末は救済じゃない

週末が来ると必ず、この退屈で苦悩ばかりの平日から抜け出せるのだと錯覚する。まるでゴールがきたみたく。 僕らの世代の労働のゴールなんて何十年後になるかも分からないと言うのにね。この周期を後何回、何百回繰り返すのか、考えると途方も無い。